SSブログ

個人的SF週間~ゼロの未来、ソラリス、オブリビオン、プロメテウスほか [SF映画]


地上波でやっていた「ソラリス」「ゼロ・グラビティ」からはじまり、レンタルした「オール・ユー・ニード・イズ・キル」「オブリビオン」「エリジウム」「プロメテウス」「ゼロの未来」と、SF映画を見まくったここ最近。

それぞれの映画を観て感じたことを雑多に書きます(ソラリス→ネタバレなし。ゼロ・グラビティ→中盤の展開の説明あり。オール・ユー・ニード・イズ・キル→ラストの展開の説明あり。オブリビオン→思いっきりネタバレあり。エリジウム→ネタバレなし。プロメテウス→ラストの展開についてややネタバレあり。ゼロの未来→ネタバレなし)。


ソラリス


原題:Solaris(2002年)
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーンほか

タルコフスキーのではなくジョージ・クルーニーバージョン。
オリジナルの持つ静謐さを受け継いだ抑えめのいい演出。ただジョージ・クルーニーのギラギラした感じがあまり似つかわしくなかったかも。ハリウッドの大作エンターテイメント映画に多く出演しているせいか、きらびやかな存在感が隠しきれない感じ。

ゼロ・グラビティ


原題:Gravity(2013年)
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー

すごい映像美だ。あっという間に観終わった気がする。またしてもジョージ・クルーニー。またしてもというか、ゼロ・グラビティ放送に合わせてジョージ・クルーニー出演のSF映画ということでソラリスをやったのだろうか。その辺はわからない。

内容に関しては、ライアンがロープを離しマットが遠ざかっていくシーン、多くの人が指摘しているように一度静止したマットがなぜ遠ざかっていくのだろうと観ているときに違和感を覚えた。まあでもそういう細かい部分の矛盾がそこまで気にならないほどに楽しむことができた。

オール・ユー・ニード・イズ・キル


原題:Edge of Tomorrow(2014年)
監督:ダグ・リーマン
出演:トム・クルーズ、エミリー・ブラントほか

すでにライトノベル版を読んでいたので、どんな感じになったんだろうかと確認の意味を込めて観てみた。日本のライトノベルから、ハリウッドの製作費1億ドル超の大作映画へ──なんというアメリカンドリーム。
ちなみに時間繰り返し系の話は個人的にすごく好きで、はずれがないと思っている。

臆病者の主人公が徐々に戦士の顔になっていくのをトム・クルーズが好演。
しいてここはどうなのかなという点をあげるとすると、あんなに非協力的だったJ分隊がいきなり主人公ケイジのことを信用して、軍を密かに離脱してまでも同行したラスト。いくらリタがいたからといってご都合主義感が否めない。まあでもここは物語に深く関わるわけでもない些末な部分だからいいか。

オブリビオン


原題:Oblivion(2013年)
監督:ジョセフ・コシンスキー
出演:トム・クルーズ、オルガ・キュリレンコほか

またしてもトム・クルーズ。どこかで見たような話だなと観終わったあとに考えていたのだが、「月に囚われた男」だということに気づいた。おもしろかったのだが、ラストに強烈な違和感が。いや、たしかに旦那と同じ顔、同じ性格をしているけど、それでいいのかと。ほかにもいそうだしヴィカの扱いをどうすればいいのかとかいろいろとすっきりしない部分が。

エリジウム


原題:Elysium(2013年)
監督:ニール・ブロムカンプ
出演:マット・デイモン、ジョディ・フォスターほか

スペースコロニーのデザインがすごくいい。2154年の設定らしいが、それにしちゃ地球の人々の暮らしや服装が今と変わらなすぎの気が。あとエリジウムの警備が脆弱すぎるというか、よく今まであんないきあたりばったりな対策で守りきれてたなと。不法移民船はがんがん来るし、少数の荒くれ者に好き放題にされるし。

プロメテウス


原題:Prometheus(2012年)
監督:リドリー・スコット
出演:ノオミ・ラパス、シャーリーズ・セロンほか

タイトルをエイリアン・ゼロとかにしてほしかった。そうしたら借りなかったのに(笑 酔っぱらっていたときに借りたのでどういう内容かを確認しなかったのだ。

エイリアンは子どものころに2を観て、ラストにアンドロイドが真っ二つにされて白い液体がプシャーって吹き出るところが軽いトラウマになっている。でもそのわりに、今までのシリーズをほぼすべて観ているかも。テレビでよくやっているからか。ちなみに今回もそのセルフパロディーのようなシーンがあった。
ホラー系は苦手だが、プロメテウスは人類の起源を探るような内容で、ただ怖がらせるだけのものとは違うのでよかった。

ここはどうなんだというところは、ラストの自爆する場面。艦長が乗組員におまえらは脱出しろと言うと、乗組員がニヤリとしながら「あなたみたいなヘボ船長に船は任せられない」とか言い出す。なんというベタな感動シーン。おまえらそういうキャラだったのか、みたいな。
主役のショウ博士の吹き替えでいろいろと言われているらしい剛力さん。個人的にはすごくがんばっていたと思うけど、声が少し若すぎたかも。

ゼロの未来


原題:The Zero Theorem(2013年)
監督:テリー・ギリアム
出演:クリストフ・ヴァルツ、メラニー・ティエリーほか

テリー・ギリアム最新作。そもそもこれを見たくてTSUTAYAに行ったのだった。そうしたら5本で1,000円キャンペーンだったので、気にはなっていたけれど観る機会がなかったSF映画をまとめて借りたというわけだ。

内容は、人生の意味を教えてくれる電話が来るのを、家で仕事をしながらひたすら待つ男の話。プログラマーとしての腕はいいので社長である“マネジメント”にゼロの定理と呼ばれる難解な定理の解析を命じられるが、これが彼を追い詰めていく。
そこに風変わりな人々が入れ替わり立ち替わりやってきて彼の心に変化が。主人公の上司がプロレスラーの故エディ・ゲレロに似ている。

テリー・ギリアムの、コミカルでありながらペーソスが漂う独特の世界観がとてもいい。ラストは観る人によって受け取り方が異なるだろう。
この映画で心に引っかかったマネジメントの台詞。「神を信じたがる人間の悲しい一面とは、より崇高な目的を求めるあまり人生が無意味に思えること。すべては“永遠”への通過点でしかなくなる」

ちなみにマネジメント役にはマット・デイモン。エリジウムについでまたしてもマット・デイモン。ここで紹介した映画7本に、ジョージ・クルーニー×2、トム・クルーズ×2、マット・デイモン×2が出ている。どうなっているんだ海外のSF映画事情は。……てかたまたまか。
ただ、ハリウッドは二十代前半の若い俳優が大作映画の主演を務めることがあまり多くないように感じる。オール・ユー・ニード・イズ・キルだって本当は若い新兵が主人公だったのに、設定を変えて中年の男にしているし。成熟した俳優をハリウッドのプロデューサーたちは好むのか、実績と権力のある彼ら中年のスターたちが若い俳優のフタになっているのか。大金をかけた映画を絶対にこけさせないために少しでも客を呼べる俳優を選んでいるというのが正解な気もするが、いずれにせよしっかりキャリアを積んでいかないと大きな仕事を任されないというのは、公平であり健全でいい気がする。

「プロメテウス」と「ゼロの未来」で不思議とシンクロした台詞があった。プロメテウスでは「どんな国王も一代。国を治めたら皆死ぬ。それが必然。自然の道理なのよ」。ゼロの未来では「物乞いも国王も死ぬ。すべては終わる」。
どちらも人類の起源や人生の意味といった哲学的なテーマに向き合った映画だからだろうか。


このブログでは星をつけて評価しているので、最後にこれらの作品の評価を。
全部★★★★☆
適当ではなくたまたまです(笑


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。